古文書はこんなに面白い
油井 宏子
本書の主人公は、おでんちゃん(10歳)と友八くん(11歳)。 2人をめぐる250年前と161年前の史料を教科書にした本書は、歴史を学ぶ楽しさと古文書を読む面白さが両方いっぺんに味わえます。 従来の学習書よりも、さらに内容をやさしくしています。 くずし字の一つ一つまで、丁寧すぎるくらいのわかりやすさで教えてくれます。
★★★
僕がこの本を手に取ったきっかけは、坂本龍馬の手紙をオリジナルのまま読んでみたいと思ったからだ。
例えば、龍馬が脱藩後、勝海舟に弟子入りした時、姉の乙女宛に出した有名な手紙。
「そもそも人間の一生は合点の行かぬはもとよりのこと。運のわるい者は風呂より出でんとしてきんたまをつめわりて死ぬる者あり。
それにくらべて私などは運がつよく、なにほど死ぬる場へ出ても死なれず。自分で死なうと思ふても又生きねばならん事になり、今にては、日本第一の人物勝麟太郎と云ふ人の弟子になり、
(中略)
どうぞおんよろこび願ひ上げ候。かしく。」
お龍との日本で初めての新婚旅行(?)を書き綴った手紙。
そして何より、維新の出発点ともなった薩長同盟の際、龍馬が桂小五郎に盟約の裏書きをした手紙。
これらの手紙を、彼の生き方そのもののような型にはまらない筆跡で読み下せるようになりたいものだ。
取り敢えずは、そばに『覚えておきたい古文書くずし字200選
』と続編の『覚えておきたい古文書くずし字500選
』を置き、おでんちゃんと机を並べ、少しずつ勉強していきたいと思う。:-)
そうそう「手紙」というと、海外ではモーツァルトの書簡(例えば、従妹のペーズレ宛の書簡
など)を彼の真筆で読み下したと思うのだけれど、これはちょっと難しいかな。:-p
【関連書籍】
・新人物往来社『完全複製 沖田総司・土方歳三・坂本龍馬の手紙
』
・宮地佐一郎著『龍馬の手紙―坂本龍馬全書簡集・関係文書・詠草
』
・吉田秀和著『モーツァルトの手紙
』