職業外伝 | bookwo^Harm

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僕の積読・乱読リスト
― これから読む本、読みたい本、もう一度読み返したい本 ─

職業外伝 職業外伝
秋山 真志

この国には、絶滅寸前の職業がこんなにあるんです。
飴細工師、街頭紙芝居師、へび屋、銭湯絵師、見世物小屋、能装束師、俗曲師、幇間…懐かしいけど、どこか新しい。
絶滅寸前の職業の数々を、それを愛してやまない達人達の生き様を織り交ぜて紹介する“ハローワーク外伝”。

★★★
この本を一言で言い表すと、ズバリ「永六輔の世界」 (永六輔氏を知らない人はTBSラジオ「土曜ワイド 」を聴いてみてね)。 絶滅寸前の職業をルポタージュした本だが、幼い頃に路地裏・道端で見聞きした風景がそこに見えてくる。
個人的には、原っぱで飴を舐め舐め夢中になって見た自転車荷台の紙芝居、縁日や祭りで飽きずに眺めていたテキ屋の店と売り口上、本物のロバが牽いてきた菓子パン屋と音楽、銭湯で飲んだフルーツ牛乳などが、とても懐かしく思い出される。 そうそう、生家は「氷屋」で、店の奥にはとても大きな氷室があったなぁ~ (遠い目)
この本には、そんな今となっては珍しい職業がいろいろ取りあげられているけれど、僕が興味をもって読んだのは「俗曲師」桧山うめ吉さんの部分。 魅力的な彼女の都々逸を一度聴いてみたい。