火星ノンストップ | bookwo^Harm

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僕の積読・乱読リスト
― これから読む本、読みたい本、もう一度読み返したい本 ─

火星ノンストップ 火星ノンストップ ヴィンテージSFセレクション 胸躍る冒険篇
ジャック・ウィリアムスン Jack Williamson 他, 山本 弘 , 浅倉 久志 , 伊藤 典夫

突如地球を襲った大災害! 途方もない嵐が世界各地で発生、熱帯地方では大雪が降り、津波による死者は数十万人におよんだ。 原因は火星から地球へと伸びる力場チューブだった。 … 表題作「火星ノンストップ」をはじめ、パラレル・ワールドの概念を世界で最初に提示した傑作「時の脇道」、待望の野田昌宏訳による「シャンブロウ」、凍てついた大地にアンモニアの吹雪が吹きすさび、空にナトリウムの爆発がひらめく木星を舞台にした「わが名はジョー」など、全7篇を収録。

★★★
と学会 」の山本弘氏の監修と云うことだけで、決して色眼鏡で見ないように。
SFアンソロジーというと、以前にも「タイム・トラベラー―時間SFコレクション 」を紹介したことがあるけれど、ここに収録されている7つの短編の何れもが、20世紀初~中のSFの傑作・快作であり、これまた素晴らしいアンソロジー集だ。
科学的な裏付けを基に緻密な描写が大前提の現在の物語からすれば、疑問符が付くような設定や力ずくの場面展開、安易な結末に肩すかしされたりもするが、それらは物語が持っている魅力からすれば本当に些細なこと。そんなことに囚われていては、せっかく招待されたパーティを自らスポイルするようなものだ。
どれもこれも、今となってはなかなか読むことが敵わない驚きに満ちたユニークな物語が選ばれていて、僕はワクワクしながら一挙に読んでしまった(特に「シャンブロウ」と「わが名はジョー」はとても気に入った)。
好評であれば続編も出すようなので是非とも期待して待ちたい。