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僕の積読・乱読リスト
― これから読む本、読みたい本、もう一度読み返したい本 ─

しぐさの解読 しぐさの解読―彼女はなぜフグになるのか
西村 ヤスロウ , 村山 涼一

あのアイドルの“口をふくらますキメ顔”には、計算ずくの心理的効果が!? 何気ない35のしぐさを大まじめに分析。 他人が、自分がこれでわかる。
「髪を立てる」「必ず電車の角の座席に座る」「化粧の最後に鏡に向かって微笑む」…。日常で見かける、一見普通だけれど、よく考えるとちょっと変な行動、しぐさを、心理学的な観点からまじめ(?)に分析する「人間観察バラエティ」。

★★☆
無くて七癖」という言葉があるが、この小本には「一寸した仕草にはその人が置かれている心理的状況が見え隠れしている」というような事が面白おかしく書いてある。 因みに、副題の「彼女はなぜフグになるのか」の「彼女」とは「あやや」のこと。 「何故あややがフグなのか?」興味のある方はお読み下さい。 肩の凝らない心理学のコラム。
シンデレラマン シンデレラマン―妻と子の愛に支えられた不屈のチャンピオン
マイケル C.デリーサ Michael C. Delisa , 黒輪 篤嗣

一九三〇年代、アメリカ大恐慌―。 出口の見えない不況の中で国民の生活は困窮し、国中に失業者が溢れかえった。 電気を止められ、その日の食事にも事欠くなか、ジェイムズ・ブラドックは、子どもたちの待つ家にパンとミルクを持ち帰るために戦った。 その姿は、同じ貧しさにあえぐ人々の「希望の星」となった。 どん底から「ヘビー級チャンピオン」へ。 「人生の逆転劇」を生み出した彼は“シンデレラマン”と名づけられた―。

■未読■
この17日(9/17)から公開されるラッセウ・クロウ主演の同名映画の原書。 ここに描かれているジム・ブラドック James J. Braddock と云う人物は、20世紀初頭のニューヨークで、貧困のどん底からヘビー級世界チャンピオンにのし上がったという実在のプロボクサーで、恐慌の時代に米国民に勇気と希望を与え、幾多の苦労を乗り越えて名声を掴んだ故にシンデレラに因んで“シンデレラマン”と呼ばれるようになったそうだ。
映画を先に見るか、本を先に見るか大いに悩むところ。往々にして限られた時間で勝負する映画と、丹念な描写で綴られる本とでは、受け取るイメージがかなり異なる場合が多いからね。 それでも、ラッセル・クロウは好きな俳優だから、早く見てみたい気もする。 悩む…。


●関連サイト
映画「シンデレラマン」公式サイト http://www.movies.co.jp/cinderellaman/
Cinderella Man - James J Braddock  http://www.jamesjbraddock.com/
火星ノンストップ 火星ノンストップ ヴィンテージSFセレクション 胸躍る冒険篇
ジャック・ウィリアムスン Jack Williamson 他, 山本 弘 , 浅倉 久志 , 伊藤 典夫

突如地球を襲った大災害! 途方もない嵐が世界各地で発生、熱帯地方では大雪が降り、津波による死者は数十万人におよんだ。 原因は火星から地球へと伸びる力場チューブだった。 … 表題作「火星ノンストップ」をはじめ、パラレル・ワールドの概念を世界で最初に提示した傑作「時の脇道」、待望の野田昌宏訳による「シャンブロウ」、凍てついた大地にアンモニアの吹雪が吹きすさび、空にナトリウムの爆発がひらめく木星を舞台にした「わが名はジョー」など、全7篇を収録。

★★★
と学会 」の山本弘氏の監修と云うことだけで、決して色眼鏡で見ないように。
SFアンソロジーというと、以前にも「タイム・トラベラー―時間SFコレクション 」を紹介したことがあるけれど、ここに収録されている7つの短編の何れもが、20世紀初~中のSFの傑作・快作であり、これまた素晴らしいアンソロジー集だ。
科学的な裏付けを基に緻密な描写が大前提の現在の物語からすれば、疑問符が付くような設定や力ずくの場面展開、安易な結末に肩すかしされたりもするが、それらは物語が持っている魅力からすれば本当に些細なこと。そんなことに囚われていては、せっかく招待されたパーティを自らスポイルするようなものだ。
どれもこれも、今となってはなかなか読むことが敵わない驚きに満ちたユニークな物語が選ばれていて、僕はワクワクしながら一挙に読んでしまった(特に「シャンブロウ」と「わが名はジョー」はとても気に入った)。
好評であれば続編も出すようなので是非とも期待して待ちたい。